大阪府、吉村知事が新型コロナワクチンの治験開始を発表
大阪府の吉村洋文知事は17日、大阪大発ベンチャー「アンジェス」が開発中の新型コロナウイルスのワクチンを人に投与する臨床試験(治験)が30日から始まると明らかにした。
まず大阪市立大病院の医療従事者20~30人を対象に実施し、10月には治験の対象を拡大。国の認可を得た上で、来年の実用化を目指す。
→全国初の人への投与を今月開始する。秋には数百単位、年末には10万〜20万単位、来年春以降には数百万単位で実用化を目指す。大阪の医学がコロナに打ち勝つことを証明する。 headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200617-…
一方で「医療従事者への治験」が物議
吉村知事の説明によると、ワクチン開発は3月に着手しすでに完成。4月に連携協定を進め動物実験を行い、安全性を確認したため今月末に市大の医学部付属病院の医療従事者に投与をするという。
そして安全性を確認した上、10月にはこれを数百名程度の規模に対象を拡大し、今年中には10万から20万の単位での製造が可能になるとしている。
news.yahoo.co.jp/articles/a1c58…
完全に政治色がついたワクチン開発。続々と欧米でのワクチン開発品の非臨床結果が公開される中で未だ詳細情報はなし。有望かどうか外部から推測もできない中、大阪市大医学部付属病院の医療従事者が治験に狩り出される。
nikkei.com/article/DGXMZO…
治験の役割と倫理規範
治験とは、新しい「くすり」が国の承認を得るために安全性や有効性を確認するために行う臨床試験のことです。
薬は”良くも悪くも身体に影響を及ぼすもの”です、どんな薬を使おうがその取扱に確実な安全はありません。 その為に、国が認めた厳しい基準をクリアした薬でないと処方や販売が行なえません。
「薬の候補」11,299個のうち「新しい薬」として発売されるのは1個程度しかありません。
治験の歴史を語る上でかかせないのがヘルシンキ宣言、世界医師会が1964年にそれまでバラバラな基準に行われていたり人体実験を行われていたりした歴史をみた上で被験者の人権・安全を最優先に、これを侵されることない上で治験を行おうと決めた倫理規範の事を言います。
治験への参加は自由意思によるもので、誰からも強要されるものではありません。
研究参加へのインフォームド・コンセントを求める場合、医師は、被験者候補が医師に依存した関係にあるかまたは同意を強要されているおそれがあるかについて特別な注意を払わなければならない。
医療機関の職員が被験者になることは禁じられていないが、参加を断ると不利益を受けるおそれがあるとして、自発的な参加同意に十分な配慮が必要とされる。
出典 治験とは - コトバンク
治験参加はあくまで本人の合意によりなさるもの。
合意に至る過程において、例えば断り難い立場の人間を参加させてしまうことはナンセンスです。絶対にあってはならない。 twitter.com/BiotechMania/s…
治験にしても臨床試験一般にしても、その基本中の基本、生命は、被験者の実験参加への自発的同意にある。これが破られたら戦時中の人体実験と選ぶところがない。
自発性が担保されていない以上ヘルシンキ宣言の文言・精神にも反する。 twitter.com/RyuichiYoneyam…
参考例 キセナラミン事件
"名古屋市に本社を置く興和株式会社が,風邪の新薬・キセナラミンを自社社員に内服させ,その副作用で17人が入院,1人が死亡する事件"
twitter.com/BiotechMania/s…
「DNAワクチン」はまだ新しいタイプのワクチン
DNAワクチン技術は、エイズやインフルエンザなどの感染症、がん、アレルギー、アルツハイマーなどの疾患に対して開発の進んでいる次世代のワクチンで、抗原蛋白質をコードする遺伝子形で抗原を生体に接種するという、分子生物学的技術を取り入れた最先端の免疫法である。
しかしその一方で、DNAワクチンがなぜ効くのかの解明はあまり進んでおらず、より効果的なワクチンの開発や副作用の予防のためにも、免疫学的・生理学的作用メカニズムの解明が急がれている。
多くの利点があるため、DNA ワクチンは理想的なものとして、1990年代から数多く開発されてきたが、人体用に承認されたワクチンはまだない。
追記:大阪府が審査委承認前に開始日を発表していたという事実が…
大阪府の吉村洋文知事は17日、市大病院の医療従事者20~30人を対象にした治験が30日から実施されると発表したが、実はそれまでに治験実施施設となる大阪市大の審査委自体が開催されておらず、承認を得られていないことが分かった。
新薬などの治験が行われる際、治験実施施設の倫理審査委員会が承認してからスケジュールが組まれるのが通常であり、承認されるか不明な状態で治験開始日を憶測で発表すること自体、審査に重大な影響を与える可能性がある。
市大関係者は「過熱して政治色が強くなりすぎている。承認されても、対象者には冷静かつ丁寧な説明の上、断る選択肢をしっかり保障してほしい」と懸念を示した。
ちょっと信じられない。ワクチン開発は国民の願いだが、政治パフォーマンスで人体の安全に関わる治験のプロセスが無視されていいはずがない。
大阪府、審査委承認前に治験開始日を発表 阪大など開発中mainichi.jp/articles/20200…
“吉村知事は24日の定例記者会見で「(治験の)目標を発表したのであり、最終的には市大が決める」と述べた”
酷い話。市大は断ったらいいんや。
mainichi.jp/articles/20200…
“大阪”のことだよ。
こちらもオススメ
参考リンク
大阪・新型コロナ開発中のワクチン30日に治験開始へ 吉村知事「コロナとの闘いを反転攻勢させたい」(THE PAGE) - Yahoo!ニュース
ヘルシンキ宣言|世界医師会|国際活動|医師のみなさまへ|日本医師会
コロナのワクチン治験、月末開始 吉村大阪府知事「全国初」:東京新聞 TOKYO Web
106.期待が高まるDNAワクチン | 一般社団法人 予防衛生協会
大阪府、ワクチン治験の審査委承認前に開始日発表と判明 吉村知事「あくまで目標」 – 医療者が本音で問う「激論」プラットフォーム | MEDIAN TALKS