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他人の不倫を叩く「日本は異常」?
不倫相手を訴えたり慰謝料を求めることができるのは「日本ならでは」です。
ドイツでは、不倫相手に慰謝料を求めることはできません。
ハリウッドでは、差別発言をして降板させられることはあっても、不倫で仕事を失うことは、まずない。
ゴシップ紙が騒ぎ立てても、それはそれ。仕事に関しては通常営業だ。
フランスでは1970年以来、個人の恋愛関係と性的指向は民法第9条によってプライバシーとして守られており、それを暴くメディアのほうが責められるべき立場にある。
ミッテラン元大統領にも隠し子が発覚したことがありますが、このときは、反対に暴露した週刊誌の方が「プライベートに立ち入ってけしからん!」と世論からお叱りを受けたほどでした。
著名人の恋愛や不倫がタブロイド紙の恰好のネタになるのはどこの国でも同じですが、実は「取り上げ方」はちょっと違います。
日本の場合、週刊誌をはじめとするメディアが著名人の不倫を取り上げる時は「叩く」報道が目立ちますが、ドイツの場合は「新しい恋を応援」する書き方も多いのです。
シュレーダー元首相の不倫の場合も、4度目の妻との婚姻中に既婚女性であるキム・ソヨン氏と付き合い始めた際に「シュレーダーは新しい恋を見つけた」という見出しをつけるなど好意的な書き方をするドイツのタブロイド紙もありました。
なぜ人は不倫を叩いてしまうのか
著名人の不倫が立て続けにニュースになり、規模は違うけれどそのつど「不倫バッシング」が起こります。
肉食魚のいる水槽の中に肉片を落とすと一瞬でその周りに肉食魚が群がってきますが、ほとんど似た構図のようにさえ見えてきます。
なぜそれをバッシングすることが、エンターテインメント化してしまうのでしょうか?
共通するのは、自分は正義の側にあり、悪いことをした人間を「ほかならぬ私が直々に懲らしめてやらなければ」という心に燃えている点です。
不倫をする有名人は、「一夫一婦制」という共同体のルールを守らず、ごく個人的な快楽を貪っている……つまり、「コストを払わずにおいしい思いをしている」ように外野からは見えるのでしょう。
ただし、バッシングにもコストがかかります。たとえばバッシングしたり抗議の電話をかけたりするのには、それなりに労力も時間も必要です。また、相手によっては名誉棄損だと訴えられてしまう場合もありますし、リベンジされるリスクもあります。
つまり叩きは正義のために行われるのではなく、快感のために行われるということなんだな
変わる価値観、変わるべき価値観
一夫一婦制が定着したのは、農耕が始まって規模の大きい集団生活を営むようになってからだというのが有力な考え方のようです。
今までの価値観では『結婚してひとりの人間と添い遂げること』が唯一にして最大の幸福とされてきた。
しかし、現実には三組に一組は離婚していて(これは近い将来「二組に一組」になるとも言われている)、婚活ブームの裏には結婚したくてもできない人たちが大量にいて、結婚していたとしても夫婦仲が険悪になっていたり、実際に浮気や不倫をしている人たちも大量にいる。
これはもう、現代の恋愛や結婚というシステムが良い感じに限界を迎えているのではないのかと思うことが多い。
(新しいスタイルが台頭する過程において)ひとりが複数人と付き合うようなスタイルが増えてくるのではないのかと睨んでいます。
不倫は悪いことだという価値観は、人類の長い歴史から見ると後付けにすぎない
だけど不倫してる人が特別悪人かといえば、そうじゃない人もいるようで
普通の人は、そういう環境とか状況になればするのが不倫で人間の本能やん
だとすれば、不倫ダメって言うルール自体が無理あって悪法じゃないのかとも思う
私は児童施設で、その立場に生まれた子が「自分なんか生まれてこなければ」と自分を責めていたことを一生忘れない。
「不倫」という価値観から卒業を
私たちが「倫理的」ととらえているものは人類の長い歴史の中で見れば自明のものではないのです。
ごく最近形成されたものかもしれず、「不倫や乱婚=悪」といった考えも、一夫一婦制が定着したのちにあとづけで広まった概念だと疑ってみるべきでしょう。
こうした背景を知ると、著名人の不倫で大騒ぎしたり、その人の全人格を否定してみたくなったりする人間の存在を振り返ってみたとき、時間をかけてそんなことをするのがなんだか滑稽に見えてくるのではないでしょうか。
「不倫」と「婚外恋愛」では、同じことを指していても、全然イメージが違って聞こえませんか。
「不倫」という言葉が持つネガティブなイメージを「婚外恋愛」は持ちません。この言い換えを会話で使うのはアリではないでしょうか。わかりやすいです。
実際に一昔前までと現在では「不倫」という関係が変わっているようです。今は女性も外で活躍する時間が長くなり、外で遊ぶ機会もとても多かったりします。携帯、スマホなどを持ち、SNSなどもあります。出会うチャンスは一昔前に比べて、圧倒的に多くなっています。
いわゆる「婚外恋愛」は今や珍しくはない時代になっているのかもしれません。周囲に当事者がわりといる可能性もあるでしょう。そういう変化がこの言い換えに現れているような気がします。
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参考リンク
不倫は◯◯? マイナスイメージを覆すイマドキの「言い換え」3つ | DAILY ANDS [人生は投資の連続。Bloom your life.]
「不倫を叩く日本人」と「寛容なドイツ人」の大差 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
【不倫肯定論】所有は人間の自由を剥奪する。ー 「その人を使って自分を幸せにしたい」のか「自分を使ってその人を幸せにしたい」のか。 - いばや通信
日本社会が「不倫バッシング」で過熱しやすい脳科学的理由 「絆」の強さが攻撃を招く | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
他人の不倫に大騒ぎする日本人への冷めた目線 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
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恋愛大国・フランス、「結婚」も「不倫」も日本人とはここまで違う(横川 由理) | マネー現代 | 講談社(1/4)
小室哲哉さん「不倫は犯罪じゃない」のに社会の晒し者、本来は当事者間の法的責任 - 弁護士ドットコム
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